「なりきりネタなんでもあり板」で日々プレイされている「TRPGスレ」のレビューブログです。 TRPGスレについてはhttp://www43.atwiki.jp/narikiriitatrpg/pages/56.html参照
こんばんわ。突然ですが私は糞漫画が好きです。
特に週刊少年ジャンプで日夜粗製濫造されている、どうしようもなくしょうもない漫画が大好きです。
大抵の場合連載開始第一話から強烈な爆死臭がただよい、十週から二十週で打ち切られる糞漫画達ですが、
時折荒削りでも光るものがあったり、真っ当な評価は一切されないけど超展開や迷言などでネタな人気を獲得するものがあります。
『タカヤ』や『斬』や『ライトウィング』など、漫画読みなら一度は耳にする伝説に残るクソ漫画達です。
そんな糞漫画愛好家の私が今推しているのは、週刊少年ジャンプ連載『タカマガハラ』。
現在連載八回目にして既に巻末に追いやられている、期待のスーパールーキーです。
異能バトルものなのに主人公の能力が未だに明らかになっていなかったり、一切意味のない設定を出してそのまま忘れ去ったり、
作者よりもアシスタントの描くキャラの方が上手かったり、ヒロインが少年にしか見えなかったり、無意味な劇画調を多用したり、
実に素晴らしい糞漫画っぷりを発揮してくれているタカマガハラ。
人類ならば誰でも持っているけれど目覚めた者は少ない『神業』という能力に目覚めた主人公が、
神業使い達の戦いに巻き込まれるという極めてスタンダードな内容で、主人公も標準タイプの非常にうっすいキャラですが、
その主人公と敵対する敵キャラ達が実に個性豊かで、作者が薬でもキメながら描いてんじゃないかと疑いたくなります。
ストーリーは特筆するようなものではないですが、悪役を魅力的に描き上げる方法を作者は知っているのでしょう。
早くもトンデモ人間見本市みたいな内容になってきていますが、これからの展開に期待大です。
というわけで、薬でもキメながら書いてんじゃねえかっていう敵キャラつながりで、
今回はジェンスレのラスボス、糞漏らし野郎ことロスチャイルド先生について語ろうと思います。
以下、重大なネタバレを含むのでジェンスレ未読の方は読み飛ばし推奨。
前回ザ・ファンタジアについて語りましたが、肥溜めではファンタジアに並ぶ魅力的なボスキャラとして、
他にもラム・ダオとロスチャイルドがしばしば挙げられています。
三キャラはそのベクトルこそ違えど、何度も肥溜めを賑わせた名悪役達です。
中でもとりわけロスチャイルドは、その言動のあまりのインパクトで未だ語り継がれる伝説の存在になっています。
まずラスボスとして立ちはだかる動機からして普通じゃない。
ロスチャイルドは、平和を砕かんとするユグドラシル解放戦線(主人公サイド)から世界を守るために立ち上がります。
もちろん解放戦線側からしてみれば、間違った世界をもとに戻すために戦っているわけですから、
ロスチャイルドの存在はただ強大な障害でしかない。
しかし、その世界に生きるほとんどの人間にとっては、極悪非道なテロ組織に立ち向かう、
最強の指導者にして人類最後の迎撃手、それがロスチャイルドであるわけです。
民衆の絶対的な支持は、彼が善政をしたからではなくその圧倒的な煽動手腕によるものですが、
主人公側との対立でここまで全世界を味方につけたまま戦い抜いたラスボスというのは珍しいと思います。
ジェンタイル達は、勝っても負けても平和に弓引く異端者にして悪役であることを強いられ続けたのです。
ロスチャイルドの強さ、そして敵としての恐ろしさは徹底した『正論しか言わないこと』にあります。
先生はいつも正しい。実情はどうあれ、ロスチャイルドの主張には穴がなく、彼の正しさを完璧なものにしています。
さあラストバトルだと勇んで乗り込んできた解放戦線を相手に、「先生には攻撃される理由がない」と臆面もなく、
しかもきちんとした根拠も添えて言ってのける。
これはどんな鉄壁の城塞よりも、ある意味では効果的です。
最終的には、ジェンタイル達も「ローゼンのかたき」という感情論に切り替えて戦いの正当性を主張せざるを得ませんでした。
(もっとも、ローゼンを殺したのはモンスター娘たちですので、この敵討ちも不当なものではあるのですが)
ロスチャイルド戦では、ジェンスレそのものの集大成として「戦う理由」を問われています。
「何故、ロスチャイルドを倒すのか」「戦う以外の解決方法はないのか」「そもそも本当に悪いのは誰なのか」・・・
これがドラクエのようにオールドメイドなファンタジーものだったら話は簡単です。
「倒すのは魔王が民を苦しめるから」だし、「敵が襲い掛かってくるから戦う必要がある」し、
そもそも魔王という存在そのものが『悪いもの』として用意されているのですから。
ジェンスレはこういったファンタジーにありがちなお約束や定番設定に対して、尽く問いをぶつけます。
『とくに悪事をしたわけでもない』という最強の理論武装を持つロスチャイルドを、如何に敵とみなし攻撃するか。
結局のところ、解放戦線を突き動かしているのは持たざるものの僻みです。
今の世界はそれはそれでそこそこうまく回っているのに、自分たちのためだけに世界を元に戻そうとしている。
彼らが平和に暮らせた世界を取り戻せば、今の世界で平和に暮らしている者達の生活が失われるとわかっていても。
だからこそ、解放戦線にとってロスチャイルドの正論は耳に痛いし、まともな反論をできなくなるのです。
ファンタジーであるジェンスレの世界には、神や魔法はあるけれど、唯一つご都合主義だけが存在しません。
みんなが幸せになれるような結末は用意されていないし、自分たちの幸せを求めれば誰かの不幸に辿り着く。
こいつを倒せば全て解決なんていう便利な悪役なんていないし、やることなすこと全て正しい勇者様もまた、いない。
そんな世界で、ロスチャイルドというラスボスの存在は、別の選択肢を辿ったジェンタイル達の未来の姿ではないでしょうか。
同族嫌悪ではありませんが、同じ理想を追い求めた先にあるものがロスチャイルドだから、解放戦線は苦戦する。
ロスチャイルドを倒すということは、自分たちの在り方を否定することになりかねないから。
ウンコ漏らしやホモセックスなどのエキセントリックな言動を取り沙汰されがちなロスチャイルドですが、
単純に敵キャラとして見た場合に考えさせられることの大きさもまた魅力であると思います。
ご清聴ありがとうございました。
こんばんわ。あまりの多忙ぶりにここしばらくの無更新をお許しください。
最近はスキマ時間を有効活用しようと、電車の中でライトノベルを読んでいます。
今読んでいるのはスニーカー文庫・六塚光著『タマラセ』。
魂を肉体から分離して武器を創りだす異能者の戦いと、それにまつわる陰謀に立ち向かう少年少女の物語です。
ジャンルとしてはいわゆる異能バトルなのですが、非常に独特な設定をしています。
まず異能者(作中では魂裸醒、タマラセと呼ばれています)になるのが超簡単。
タマラセ覚醒者の血を体内に入れるだけ。
これはたったの一滴飲むだけでも有効で、つまりタマラセは血液感染するのです。
この容易に伝染してしまう超常能力というのが作品のキモで、
とある地方の村で密かに受け継がれてきたタマラセ能力が何者かによって広く流出してしまう所から物語は始まります。
一体この街に何人の能力者が生まれてしまったのか?流出経路は?流出させた者の目的は?
そこに、目覚めた力の扱いに困る者や、便利で強力な異能を手放したくない者などの思惑が重なり、
物語は謎解きと血生臭い殺し合いの渦中に沈んでいきます。
ほのぼのインモラルといいますか、牧歌的でありながらエグいところはとことんエグい、不安定な面白さを感じました。
あと、ヒロインが可愛い。
というわけで、ジョジョスレを二期まで読破したのでレビューをしたいと思います。
一期はお二方がレビューされていますし、今回は趣向を変えて二期ラストバトル。
今なお大変高い評価を受けているファンタジア戦について感想を書こうと思います。
異能者達の奇妙な冒険。
原作をジョジョの奇妙な冒険に基づく、いわゆる版権スレです。
とはいえ原作と共通する部分はスタンド能力の設定だけで、キャラもシナリオもオリジナル。
アンソロジーみたいなものかと思われます。
一期では、戦時中から国家を守護してきた最強のスタンド使いによる『ゲーム』に巻き込まれた異能者たちが、
生き残りをかけて、また理不尽に囚われた胴元を倒さんと手を組み立ち向かうお話でした。
二期のシナリオも限定空間内で定められたルールに従って敵と戦うという点では『ゲーム』に似ています。
鬼ごっこがモチーフですし、規模も都市全域だった一期に比べ市民会館内とかなり限定されてはいますが。
狭い領域であるがゆえに、鬼ごっこの戦略性もかなりテクニカルさを増していると思いました。
さて、魅力的なラスボスは?と肥溜めに問えばほぼ十中八九このジョジョスレ二期のボスの名前が出てきます。
ザ・ファンタジア。
スタンド使いエイドリアン・リムが生み出した『創作幻想』、ディズニーマウスのような姿をしたスタンドです。
その特質は身体を素粒子レベルに分解し、再構成することでダメージの修復を可能とし、物体を透過してどこにでも現れること。
ダメージフィードバックのない遠隔自律型のスタンドなので、本体が隠れていれば理論上絶対に負けない無敵のスタンドでした。
そう、鬼ごっこ編と銘打たれたこの戦いは、実のところエイドリアンを探す隠れんぼだったのです。
ここのミスリードがまず上手いなと感じました。
ザ・ファンタジアはその神出鬼没さで幾度となく異能者達の前に現れ、『鬼ごっこ』のルールで翻弄します。
ファンタジアに三秒以上触れられると鬼として心を奪われ敵に回ってしまうという恐ろしい能力のせいで、
平時は実に頼りになった仲間たち相手に苦戦を強いられることになる。
限定的に仲間と戦ったり、悪役として動いたりできるのは、参加者としてかなり楽しいんじゃないかと思います。
普段できないようなことをやりまくれるわけですから。
鬼になった仲間を迎え撃つ側も、普通に敵とたたかうのとは一味違うバトルを楽しめるのではないでしょうか。
また、エイドリアンの居場所を突き止めた一行は本体を直接攻撃してファンタジアを倒すことができるはずなのに、
あくまでファンタジアそのものを攻略することに拘った点も私的にはグッドです。
手も足も出ない強能力を相手に、脆弱な能力者の方を攻撃するというのはある意味ではセオリーです。
しかし、素粒子化という無敵能力の弱点を見抜き、機転と連携でそれを攻略するというのもかなり燃えます。
倒された時の独白がまた泣かせるファンタジアですが、
何よりもこの『攻略する楽しみ』というのに特化したボスというのをもっと評価されて欲しいと思います。
読んでいて自分ならこう戦う、こうやれば倒せるんじゃないか、とか色々妄想できてわくわくしました。
そして、文句なしの知略戦の末に打ち負かされたザ・ファンタジアは、味方側異能者の一人・御前等に心情を吐露します。
創作幻想、しょせん創りものの、それも既存のキャラクターの皮を被らなきゃ自分を表現することができなかったファンタジア。
それを受けるは、奇抜な行動にばかり走って周りを混乱させることに命をかけるかまってちゃんである御前等。
初めて垣間見えたファンタジアの気持ちに、また御前等もふざけるのをやめて真摯に答える。
二人のラストの掛け合いこそが、ファンタジア戦という一つの狂騒劇の主題になっている。
序盤の御前等の行動にさんざん混乱させられた読み手の私としては、非常に腑にストンと落ちる締め方でした。
「最後の自己表現を、俺達は正しく間違えたんだ」
という台詞が、異能者達とファンタジアの関係を端的に表しています。
正義は必ず勝つ、という言葉があります。
そして大抵の創作物では、正しい者と間違った者が激突し、正しい者が勝利します。
あるいはどちらも視点によっては正しい主張をする者同士の戦いで、勝者が正義になることもあるでしょう。
では、はじめから間違ってるとわかっている者同士が戦えばどうなる?
その答えが、ジョジョスレ二期、ザ・ファンタジアと異能者達の戦いだったんだと思います。
ご清聴ありがとうございました。
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