「なりきりネタなんでもあり板」で日々プレイされている「TRPGスレ」のレビューブログです。 TRPGスレについてはhttp://www43.atwiki.jp/narikiriitatrpg/pages/56.html参照
こんばんわ。
当面の方針として、完結済みもしくは惜しくも完全凍結や途中終了してしまったスレについて語ろうと思います
現行のものはまだ物語が形成されていないものも多く、また私がレビューすることによって余計なトラブルが発生してしまうなどのリスクを考慮したうえでのことです。
ブラまほについては、3月の一時終了時に一端の区切りがついたということでレビューさせていただきました。
今後ぶらまほが完結したときに、改めてレビューをしようと思います。
というわけで、今回は先年の震災で惜しくも凍結の憂き目にあった空戦少女について語ります。
空戦少女。
ジャンルとしては、一応SFミリタリーアクションになるのでしょうか。
コンセプトは、少女×兵器×空戦!テンプレでも言及されていましたがストライクウィッチーズや武装神姫の流れでしょう。
ここ二日間で本編の方を拝読しましたが、どっちかというと軍事系というよりかはスポーツ系のノリですね・・・。
遠い未来、長く続いた戦争が終結し、世界中の空が残らず平和になって間もない世界。
戦闘機に代わって空での戦いの覇権を握っていた空飛ぶアンドロイド兵器達は、「空戦少女」と名を変えて戦いの場を興行ショーに移しました。
「空戦少女」は、アンドロイド達の非軍事性をアピールするために作られたスポーツ競技です。
とは言え、もとが軍用兵器なのでその様相は健全とは言い難く、実弾ありの過激なバトルをウリにした興行でもあります。
参戦する空戦少女達には大きく分けて二種類いて、ひとつは軍属上がりで力を振るう場所を空戦に求めた古兵の戦闘狂。
そして、各国企業がその技術力をアピールするために空戦少女専用に生み出した純粋培養の若い世代。
前者も後者もスポーツ競技という空戦少女の本質にはそぐわず、そして意志ある彼女たちは自分の在り方に迷います。
戦場で墜とすか墜とされるかの戦いを繰り広げ、勝ち続けてきた古参達は、(建前だけでも)健全を強制する競技に辟易。
そして企業の宣伝塔として空戦少女に放り込まれた新参者達は、「活躍」はしても「勝つ」ことに意味を見出せません。
片や、旺盛すぎるハングリーさをスポーツの中でうまく消化できず。
片や営利主義の傀儡であり自分の意志で踏み出すことを知らず戦闘意欲の欠片もない。
この両極端な対比の構図が、空戦少女というドラマの軸となって物語は走り出します。
ゆえにこのスレの根本のテーマは、空戦少女という競技を通して自分の在り方を見つけていくことだと、私は解釈しました。
そのテーマは第一章「キャノンボールレース」の結末によく現れていると思います。
自分に宣伝塔以上の価値を見出せず、観客へのアピールにかまけて幾度も勝利を逃してきた空戦少女。
彼女は、戦場からやってきた勝ち続けることでしか自己表現ができない古株の空戦少女と出逢い、そして競技では対峙します。
煮詰まったレース終盤で、古株の勝つことに命すら掛けるひたむきさに触れたことで、彼女は胸の奥に滾る戦意を自覚。
古株の少女もまた、「カッコよく」戦うことを貫く新参者に心を惹かれ、全力でぶつかり合います。
握った汗すら蒸発するデットヒートを経て、勝利をその手に掴んだのは――?
ネタバレになるので深く言及はしませんが、末尾ダイスは本当にいい仕事をしたと思います。
空戦少女はこの二つの正反対な「不完全さ」を対立関係に持ち込んだ妙手こそが魅力の一味でしょう。
お互いがお互いのいびつさを際立たせ、それを求め合うことで達成のカタルシスを相乗させている。
遠未来が舞台の、全身武器な空戦少女たちの妙な人間臭さがそこに彩りを加えているのです。
というわけで、今回の総括。
空戦少女とは、よく練り込まれたSF系世界観で展開される泥臭いスポ根モノである。
基本はSFバトルですが、根底に流れるのはやはりスポ根の血であると思いました。
もちろん異論は受け付けます。
ご清聴ありがとうございました。
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