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「なりきりネタなんでもあり板」で日々プレイされている「TRPGスレ」のレビューブログです。 TRPGスレについてはhttp://www43.atwiki.jp/narikiriitatrpg/pages/56.html参照

2024年10月15日 (Tue)
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2012年08月30日 (Thu)
こんばんわ。あまりの多忙ぶりにここしばらくの無更新をお許しください。
最近はスキマ時間を有効活用しようと、電車の中でライトノベルを読んでいます。
今読んでいるのはスニーカー文庫・六塚光著『タマラセ』。
魂を肉体から分離して武器を創りだす異能者の戦いと、それにまつわる陰謀に立ち向かう少年少女の物語です。
ジャンルとしてはいわゆる異能バトルなのですが、非常に独特な設定をしています。
まず異能者(作中では魂裸醒、タマラセと呼ばれています)になるのが超簡単。
タマラセ覚醒者の血を体内に入れるだけ。
これはたったの一滴飲むだけでも有効で、つまりタマラセは血液感染するのです。
この容易に伝染してしまう超常能力というのが作品のキモで、
とある地方の村で密かに受け継がれてきたタマラセ能力が何者かによって広く流出してしまう所から物語は始まります。
一体この街に何人の能力者が生まれてしまったのか?流出経路は?流出させた者の目的は?
そこに、目覚めた力の扱いに困る者や、便利で強力な異能を手放したくない者などの思惑が重なり、
物語は謎解きと血生臭い殺し合いの渦中に沈んでいきます。
ほのぼのインモラルといいますか、牧歌的でありながらエグいところはとことんエグい、不安定な面白さを感じました。
あと、ヒロインが可愛い。
 
 
というわけで、ジョジョスレを二期まで読破したのでレビューをしたいと思います。
一期はお二方がレビューされていますし、今回は趣向を変えて二期ラストバトル。
今なお大変高い評価を受けているファンタジア戦について感想を書こうと思います。
 
異能者達の奇妙な冒険。
原作をジョジョの奇妙な冒険に基づく、いわゆる版権スレです。
とはいえ原作と共通する部分はスタンド能力の設定だけで、キャラもシナリオもオリジナル。
アンソロジーみたいなものかと思われます。
 
一期では、戦時中から国家を守護してきた最強のスタンド使いによる『ゲーム』に巻き込まれた異能者たちが、
生き残りをかけて、また理不尽に囚われた胴元を倒さんと手を組み立ち向かうお話でした。
二期のシナリオも限定空間内で定められたルールに従って敵と戦うという点では『ゲーム』に似ています。
鬼ごっこがモチーフですし、規模も都市全域だった一期に比べ市民会館内とかなり限定されてはいますが。
狭い領域であるがゆえに、鬼ごっこの戦略性もかなりテクニカルさを増していると思いました。
 
さて、魅力的なラスボスは?と肥溜めに問えばほぼ十中八九このジョジョスレ二期のボスの名前が出てきます。
ザ・ファンタジア。
スタンド使いエイドリアン・リムが生み出した『創作幻想』、ディズニーマウスのような姿をしたスタンドです。
その特質は身体を素粒子レベルに分解し、再構成することでダメージの修復を可能とし、物体を透過してどこにでも現れること。
ダメージフィードバックのない遠隔自律型のスタンドなので、本体が隠れていれば理論上絶対に負けない無敵のスタンドでした。
そう、鬼ごっこ編と銘打たれたこの戦いは、実のところエイドリアンを探す隠れんぼだったのです。
ここのミスリードがまず上手いなと感じました。
 
ザ・ファンタジアはその神出鬼没さで幾度となく異能者達の前に現れ、『鬼ごっこ』のルールで翻弄します。
ファンタジアに三秒以上触れられると鬼として心を奪われ敵に回ってしまうという恐ろしい能力のせいで、
平時は実に頼りになった仲間たち相手に苦戦を強いられることになる。
限定的に仲間と戦ったり、悪役として動いたりできるのは、参加者としてかなり楽しいんじゃないかと思います。
普段できないようなことをやりまくれるわけですから。
鬼になった仲間を迎え撃つ側も、普通に敵とたたかうのとは一味違うバトルを楽しめるのではないでしょうか。
 
また、エイドリアンの居場所を突き止めた一行は本体を直接攻撃してファンタジアを倒すことができるはずなのに、
あくまでファンタジアそのものを攻略することに拘った点も私的にはグッドです。
手も足も出ない強能力を相手に、脆弱な能力者の方を攻撃するというのはある意味ではセオリーです。
しかし、素粒子化という無敵能力の弱点を見抜き、機転と連携でそれを攻略するというのもかなり燃えます。
 
倒された時の独白がまた泣かせるファンタジアですが、
何よりもこの『攻略する楽しみ』というのに特化したボスというのをもっと評価されて欲しいと思います。
読んでいて自分ならこう戦う、こうやれば倒せるんじゃないか、とか色々妄想できてわくわくしました。
 
そして、文句なしの知略戦の末に打ち負かされたザ・ファンタジアは、味方側異能者の一人・御前等に心情を吐露します。
創作幻想、しょせん創りものの、それも既存のキャラクターの皮を被らなきゃ自分を表現することができなかったファンタジア。
それを受けるは、奇抜な行動にばかり走って周りを混乱させることに命をかけるかまってちゃんである御前等。
初めて垣間見えたファンタジアの気持ちに、また御前等もふざけるのをやめて真摯に答える。
二人のラストの掛け合いこそが、ファンタジア戦という一つの狂騒劇の主題になっている。
序盤の御前等の行動にさんざん混乱させられた読み手の私としては、非常に腑にストンと落ちる締め方でした。
 
「最後の自己表現を、俺達は正しく間違えたんだ」
 
という台詞が、異能者達とファンタジアの関係を端的に表しています。
 
正義は必ず勝つ、という言葉があります。
そして大抵の創作物では、正しい者と間違った者が激突し、正しい者が勝利します。
あるいはどちらも視点によっては正しい主張をする者同士の戦いで、勝者が正義になることもあるでしょう。
 
では、はじめから間違ってるとわかっている者同士が戦えばどうなる?
その答えが、ジョジョスレ二期、ザ・ファンタジアと異能者達の戦いだったんだと思います。
 
ご清聴ありがとうございました。

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無題
いつも乙
面白かった
一期のレビューも読みたくなった
名無しのウンコマン 2012/08/31(Fri)21:43:52 編集
Re:無題
ご愛読ありがとうございます
一期も凄まじく濃い内容なのでいずれ語らせてもらおうと思います
【2012/09/02 23:53】
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