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「なりきりネタなんでもあり板」で日々プレイされている「TRPGスレ」のレビューブログです。 TRPGスレについてはhttp://www43.atwiki.jp/narikiriitatrpg/pages/56.html参照

2024年10月15日 (Tue)
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2012年09月10日 (Mon)
こんばんわ。突然ですが私は糞漫画が好きです。
特に週刊少年ジャンプで日夜粗製濫造されている、どうしようもなくしょうもない漫画が大好きです。
大抵の場合連載開始第一話から強烈な爆死臭がただよい、十週から二十週で打ち切られる糞漫画達ですが、
時折荒削りでも光るものがあったり、真っ当な評価は一切されないけど超展開や迷言などでネタな人気を獲得するものがあります。
『タカヤ』や『斬』や『ライトウィング』など、漫画読みなら一度は耳にする伝説に残るクソ漫画達です。
そんな糞漫画愛好家の私が今推しているのは、週刊少年ジャンプ連載『タカマガハラ』。
現在連載八回目にして既に巻末に追いやられている、期待のスーパールーキーです。
異能バトルものなのに主人公の能力が未だに明らかになっていなかったり、一切意味のない設定を出してそのまま忘れ去ったり、
作者よりもアシスタントの描くキャラの方が上手かったり、ヒロインが少年にしか見えなかったり、無意味な劇画調を多用したり、
実に素晴らしい糞漫画っぷりを発揮してくれているタカマガハラ。
人類ならば誰でも持っているけれど目覚めた者は少ない『神業』という能力に目覚めた主人公が、
神業使い達の戦いに巻き込まれるという極めてスタンダードな内容で、主人公も標準タイプの非常にうっすいキャラですが、
その主人公と敵対する敵キャラ達が実に個性豊かで、作者が薬でもキメながら描いてんじゃないかと疑いたくなります。
ストーリーは特筆するようなものではないですが、悪役を魅力的に描き上げる方法を作者は知っているのでしょう。
早くもトンデモ人間見本市みたいな内容になってきていますが、これからの展開に期待大です。
 
というわけで、薬でもキメながら書いてんじゃねえかっていう敵キャラつながりで、
今回はジェンスレのラスボス、糞漏らし野郎ことロスチャイルド先生について語ろうと思います。
以下、重大なネタバレを含むのでジェンスレ未読の方は読み飛ばし推奨。
 
前回ザ・ファンタジアについて語りましたが、肥溜めではファンタジアに並ぶ魅力的なボスキャラとして、
他にもラム・ダオとロスチャイルドがしばしば挙げられています。
三キャラはそのベクトルこそ違えど、何度も肥溜めを賑わせた名悪役達です。
中でもとりわけロスチャイルドは、その言動のあまりのインパクトで未だ語り継がれる伝説の存在になっています。
 
まずラスボスとして立ちはだかる動機からして普通じゃない。
ロスチャイルドは、平和を砕かんとするユグドラシル解放戦線(主人公サイド)から世界を守るために立ち上がります。
もちろん解放戦線側からしてみれば、間違った世界をもとに戻すために戦っているわけですから、
ロスチャイルドの存在はただ強大な障害でしかない。
 
しかし、その世界に生きるほとんどの人間にとっては、極悪非道なテロ組織に立ち向かう、
最強の指導者にして人類最後の迎撃手、それがロスチャイルドであるわけです。
民衆の絶対的な支持は、彼が善政をしたからではなくその圧倒的な煽動手腕によるものですが、
主人公側との対立でここまで全世界を味方につけたまま戦い抜いたラスボスというのは珍しいと思います。
ジェンタイル達は、勝っても負けても平和に弓引く異端者にして悪役であることを強いられ続けたのです。
 
ロスチャイルドの強さ、そして敵としての恐ろしさは徹底した『正論しか言わないこと』にあります。
先生はいつも正しい。実情はどうあれ、ロスチャイルドの主張には穴がなく、彼の正しさを完璧なものにしています。
さあラストバトルだと勇んで乗り込んできた解放戦線を相手に、「先生には攻撃される理由がない」と臆面もなく、
しかもきちんとした根拠も添えて言ってのける。
これはどんな鉄壁の城塞よりも、ある意味では効果的です。
最終的には、ジェンタイル達も「ローゼンのかたき」という感情論に切り替えて戦いの正当性を主張せざるを得ませんでした。
(もっとも、ローゼンを殺したのはモンスター娘たちですので、この敵討ちも不当なものではあるのですが)
 
ロスチャイルド戦では、ジェンスレそのものの集大成として「戦う理由」を問われています。
「何故、ロスチャイルドを倒すのか」「戦う以外の解決方法はないのか」「そもそも本当に悪いのは誰なのか」・・・
これがドラクエのようにオールドメイドなファンタジーものだったら話は簡単です。
「倒すのは魔王が民を苦しめるから」だし、「敵が襲い掛かってくるから戦う必要がある」し、
そもそも魔王という存在そのものが『悪いもの』として用意されているのですから。
 
ジェンスレはこういったファンタジーにありがちなお約束や定番設定に対して、尽く問いをぶつけます。
『とくに悪事をしたわけでもない』という最強の理論武装を持つロスチャイルドを、如何に敵とみなし攻撃するか。
結局のところ、解放戦線を突き動かしているのは持たざるものの僻みです。
今の世界はそれはそれでそこそこうまく回っているのに、自分たちのためだけに世界を元に戻そうとしている。
彼らが平和に暮らせた世界を取り戻せば、今の世界で平和に暮らしている者達の生活が失われるとわかっていても。
だからこそ、解放戦線にとってロスチャイルドの正論は耳に痛いし、まともな反論をできなくなるのです。
 
ファンタジーであるジェンスレの世界には、神や魔法はあるけれど、唯一つご都合主義だけが存在しません。
みんなが幸せになれるような結末は用意されていないし、自分たちの幸せを求めれば誰かの不幸に辿り着く。
こいつを倒せば全て解決なんていう便利な悪役なんていないし、やることなすこと全て正しい勇者様もまた、いない。
そんな世界で、ロスチャイルドというラスボスの存在は、別の選択肢を辿ったジェンタイル達の未来の姿ではないでしょうか。
同族嫌悪ではありませんが、同じ理想を追い求めた先にあるものがロスチャイルドだから、解放戦線は苦戦する。
ロスチャイルドを倒すということは、自分たちの在り方を否定することになりかねないから。
 
ウンコ漏らしやホモセックスなどのエキセントリックな言動を取り沙汰されがちなロスチャイルドですが、
単純に敵キャラとして見た場合に考えさせられることの大きさもまた魅力であると思います。
ご清聴ありがとうございました。
 

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