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「なりきりネタなんでもあり板」で日々プレイされている「TRPGスレ」のレビューブログです。 TRPGスレについてはhttp://www43.atwiki.jp/narikiriitatrpg/pages/56.html参照

2024年10月15日 (Tue)
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2012年07月26日 (Thu)
こんばんわ。
最近どうにも時間がとれないので、もしかしたら不定期更新に戻るやもしれません。
レビューは面白さの要点を的確に他人に伝える練習になるので、スキルアップのためにも続けていきたいところです。
何が面白いかを論理的に分析できれば、きっと自身の創作にも活かせるはずですから。
 
というわけで今回はダークファンタジーレビューその2ということで、第二期について語ってみようと思います。
実は並行してレギオンも読み始めているんですが、レギオンキャラが登場するとちょっとテンション上がりますね。
このキャラ二年後にはこんな大物ぶってるけどダーク時点では小物じゃん!とか。
 
ダークファンタジー二期。
一期で都市一つまるごと巻き込んだ陰謀に打ち勝った主役達は、事件の報告と来るべき決戦へ臨むため帝都へ向かいます。
そこで様々な騒動と遭遇しながら、彼らは少しずつ敵の正体やそれにまつわる陰謀の真相に迫っていきます。
上位種族『魔族』との戦い、汚名を着せられ処世寸前の従士、帝都の地下を徘徊する人外の者達。
皇帝直属の諜報機関の暗躍、都市一つを一晩で消し去る最悪規模の破壊魔法、極秘裏に進められていた計画の被験者たち。
そして、終わらない七年前の因縁。
 
全てが糾える縄のように絡まり合って、一つの結末へと収束していく様は見ていて気持ちが良いです。
というか、伏線をかなり好き勝手ばら撒いてるのに、最後にはそれらをきちんと回収できてるというのが驚き。
明らかに深く考えずに出したろこの設定っていうのでも、別の誰かが自分なりにアレンジして活用してしまう。
同僚同士のフォローがものすごく綿密なスレだという印象を受けました。
 
ダーク二期を読んでまず特筆したいのが舞台『帝都』の設定。
序盤に公開された都市交通システムであるSPINや円環の形をした行政区画などの設定が、
終盤にはそれ自体が伏線として回収されていて、「これってこういう意味だったのか」と感心させられること数度。
ラスボスを倒した武器の原理と言い、いい意味で偏執的なほど細部に拘って創られています。
RPGの街にありがちなファンタジーな設定を、捻くれた視点でこねくり回すとこれが出来上がるんだなと。
『帝都』が単なる舞台装置としてだけではなく、物語上で何度も重要な役割を担っている。
言葉は悪いですが、肉厚な設定を骨までしゃぶり尽くした結果がダークファンタジーという世界なんだと思います。
 
設定厨、という言葉があります。
「ぼくのかんがえた最強の〇〇」を異常なほど細部にまで作りこむ人間のことをそう呼びます。
多くの場合、浮かんでくる発想を吟味せず後のせしまくった結果「引き算のできないオシャレ」みたいな結果になります。
しかしそれが「ぼくのかんがえた最強の舞台」であった場合は、その生成物がシェアード・ワールドとして価値を持つことがあります。
ダークファンタジーは、ぼくの考えた最強の世界を、みんなで仲良く分けあってしゃぶったスレだと私は思います。
 
さて、ダークファンタジースレはあの肥溜めですらかなり肯定的に評価されていますが、
その理由の一つに『同僚間の連携の巧みさ』があります。
ラストバトルなんかは、時間を停める能力すらある正真正銘の魔族の王に追い詰められるも、
それぞれが自分にできる最大限のことを活かして仲間をサポートし、最後には打ち勝っています。
 
聞くところによるとアレ、避難所ですら一切打ち合わせなしで連携をやってのけたらしいですね。
二年近くの付き合いとは言え、お互いの能力や性格、土壇場でどう動くかの判断を完璧に知り尽くしていなければできない芸当です。
あまりシナリオレビューでコテマンセーをしたくはないのですが、主役PTの意思疎通具合がとても羨ましかったです。
 
ダークファンタジーは、一期で『容赦のない現実に向き合う人々』というテーマを描いていました。
二期では、人類側の反撃、つまり劇中の言葉で言うところの『人間は絶望なんかに負けない』という『人間賛歌』を貫いています。
 
人類の天敵にして作中最強の敵である魔族の王ルキフェル。
それに立ち向かう者達は、その誰もが決して選ばれた英雄や特別な存在なんかではないただの『人間』でした。
もちろん、各々には様々な背景があり、種族的な意味では人間の枠をはみ出している者もいます。
ただし、彼らがルキフェルを討滅し得た理由は、全て『彼らが人間だから』の範疇の中に収まっています。
そして、同時に彼らは誰一人としてルキフェルと戦う理由に『人類のため』という言葉を使いませんでした。
ここが私的にすごくグっときた部分です。
 
彼らは、それぞれ各々のバックボーンと信念に則ってルキフェルと対峙します。
それは七年前の因縁だったり、死罪にされた身内の汚名を濯ぐためだったり、自分の在り方に決着をつけるためだったり。
基本的に自分本位で、誰かのためというよりかは、自分自身がスッキリするためにルキフェルと戦います。
それが結果的に人類を救うことになったとしても、あくまで結果論で、俺達は英雄なんかじゃないんだ、と。
 
英雄は哀しい生き物です。
その在り方を、『強大な敵を倒す』とか『無辜の民を災いから護る』とかの第一義だけに限定された、
言ってみれば人類が自分たちにできないことを代行させるためのツール、生きた道具です。
魔王を倒すことを使命とした英雄は、実際に魔王を倒したあと、どこへ行くのでしょうか?
救世主として崇められ、奉られ、二度と元の生活には戻れません。
いやむしろ、英雄に元の生活なんてそもそも存在しないのかも知れません。
生まれた時から戦うことを望まれ、使命を帯びて生を受けた、戦闘機械。
そこに人間らしさなどあるのでしょうか。
 
だから、ダークには英雄がいなかったんだと思います。
ルキフェルと戦った者達は、ルキフェルを倒すことを目的にしていたのではなく、倒した先にあるものを求めて戦っていました。
失われた幸せの奪還、奪われた名誉の回復、自分の意志で行き先を決める人生・・・
そういったもののために命をかけて戦って、彼らはそれを手にしました。
つまり、彼らの人生は、ルキフェルを倒してからが本番。
望まず放り込まれた『かつて』から、望んだ『これから』へ踏み出すターニングポイント。
 
ゆえにダークファンタジーとは、『これから』へ至る物語、長い長いプロローグなのです。
 
というわけで、ダークスレを読了しての感想はズバリ、『この先が楽しみ』です。
ようやく前に進み始めた登場人物たちが、この先一体どんな物語を紡いでいくのか、知りたくてたまらない。
レギオンスレが爆発的な人気を博した理由のうちの、一端を担っているのではないでしょうか。
 
レギオンはまだ一章を読み終えた段階ですが、これからも楽しみにROMっていきたいスレの一つになりました。
以上、ダークファンタジーレビューでした。
ご清聴ありがとうございました。
 

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