「なりきりネタなんでもあり板」で日々プレイされている「TRPGスレ」のレビューブログです。 TRPGスレについてはhttp://www43.atwiki.jp/narikiriitatrpg/pages/56.html参照
おはようございます。
三連休にかまけてすっかりPCから遠のいておりました。
ちょっと土曜更新が物理的にキツいので、日曜更新に変えようか検討中であります。
今回はリクエストがあったということで、ダークファンタジーについて語ろうと思います。
お恥ずかしながら名前はよく耳にしていたものの、ダーク-レギオンに関してはROMすらしていなかった体たらく。
急ぎ過去ログを取寄せまして、この土日でさしあたりダークファンタジーの第一期と呼ばれる区切りまで読みました。
小学生並みの感想ですが、すごく面白かったです。
正直新生ヘヴィと被るかなと思って若干敬遠していたのですが、その判断は間違いだったと確信できます。
というか、雰囲気自体は似ていますがジャンルも戦記ものと冒険もので全然違いましたしね。
正式なTRPGとしてルールブック化もできそうなくらい作りこまれた世界観と、キャラ達の生への渇望が大きな魅力だと思います。
ダークファンタジー。
ジャンルは『冒険もの+人間ドラマ』
コンセプトは読んで字の如く『ダークなファンタジー世界での人間模様』
テーマは『容赦ない苦境への抗い』 と言ったところでしょうか。
以下、簡単なあらすじ。
それぞれ別の街から種々の理由で逃げてきた三人の旅人。
出会ったばかりの三人は、鬱蒼と茂る夜の森、獣臭と血臭の漂う魔の森で、人喰いの魔獣に遭遇し襲われます。
更にそこへ旅人の一人を追って森に入った、巨躯の僧侶とその傭兵が介入。
旅人たちは機転により、僧侶組と魔獣をかち合わせてその隙に逃げ切ることに成功します。
そしてこの僧侶こそが、本シナリオの中軸を担う陰謀『ヴァフティア事変』を引き起こす鍵となる人物なのだった――
タイムスタンプを洗い出して気付いたのですが、一時期なな板ではファンタジー系スレが乱立された時期がありました。
つまりはファンタジーが大流行したということなのですが、ダークスレはその走りとなったスレなのですね。
というか、ダークの人気に乗っかってファンタジースレが大量に増えたと言った方がいいのでしょうか。
先日レビューした新生ヘヴィもそうですし、印象に残っているのではラブファンタジーなんてスレもありました。
ラブファンについては後日レビューするとして、ダークの話に戻しましょう。
ダーク一期のシナリオには、いくつかキーワードが存在します。
GMのないスレなので、このキーワードに沿って各々が自キャラの因縁を絡めていく、というスタイルでした。
『ゲート争奪戦』『終焉の月』『地獄』『アルティミシア』
といったキーワードを全て説明しては重大なネタバレになってしまいますので、かいつまんで言いますと、
これらのキーワードは全てが『七年前』という言葉に収束していきます。
かつて平和に暮らせていた登場人物たちの人生は、七年前の『ゲート争奪戦』で全て狂い、そして現在に至ります。
このシナリオは、各キャラ達が七年前に失ったものや、残った禍根に、決着をつける物語でもあるのです。
こうやってあらすじを書き出してみると、ダークファンタジー、そこまで突飛なシナリオというわけではありません。
ブラまほや空戦少女のように明確なコンセプトがあるわけではないですし、
そもそもGMが存在しておらず、シナリオも半ば自然発生的に生まれたものですから、よく練られてもいないはずです。
なのに何故、この物語は私の心を掴んで離さないのでしょうか。
それは、シナリオの根底に漂う『したたかさ』によるものではないかと思います。
七年前に起きたゲート争奪戦は、国家を揺るがす規模のもので、多くの人がそれにより不幸になりました。
しかし、その不幸に向き合わなきゃならないのは、国家ではなく不幸を受けた当事者一人ひとりなのです。
カッコ良く登場して全てを解決してくれるような英雄なんていません。
隅っこに蹲って悲鳴を上げていれば、誰かが助けてくれるわけでもありません。
世界は容赦をしてくれない。
弱いものには、とことん残酷。
それがダーク世界の唯一無二の不文律です。
誰も助けてくれないから、自分でなんとかするしかない。
年端もいかないような少女ですら、この物語ではそれを受け入れて戦います。
街一つ分を地獄に変えるような巨大な陰謀にも、誰に任せるでもなく一人ひとりが自分の意志で立ち向かう。
故にこの物語には、『主役』『モブ』という分け目が存在しないのです。
ダーク-レギオン両スレを象徴する言葉として、『そうなったら人類、最強だろ?』という台詞が何度か出てきました。
誰かが最強になるのではなく、誰もが最強であれば良い。
そうすれば、英雄などと言う都合の良い存在にすがることなく、自分の護るべきものをそれぞれが護るために戦える。
他人任せを良しとせず自分自身が強く在ろうとするメンタリティこそが、このスレの最大のテーマではないでしょうか。
また、ダークでは『戦いのその後』にも焦点を当てています。
破壊と絶望をふりまく悪い奴をやっつけても、それで全てが解決するわけではありません。
壊された家は直さなきゃ住めないし、散り散りになってしまった家族とは再会できるかどうかわかりません。
財産を失った者は明日の糧すら怪しく、親を失った子供は路傍で亡骸になるのを待つのみです。
敵を倒したあとも、やらなきゃならないことは山積みです。
敵を倒しただけで全てが解決するのは、それこそバトルを主題に置いた作品だけで十分です。
ファンタジーである以上、その『世界』を余すとこなく書いて欲しい。
そういう需要に応えたのが、このダークファンタジーであると私は思います。
需要があったからこそ、このダークをきっかけにファンタジーブームが起こったのではないでしょうか。
さて、『ヴァフティア事変』を闘いぬいた彼らの前に、更なる強大な敵が立ちはだかります。
『魔族』と呼ばれる古来の上位存在に対抗するため、戦力を求めて帝都へ上ろうとする彼らですが――?
七年前に決着をつけるのが一期でしたが、二期はどのような物語が展開されるのでしょうか。
楽しみにしながら、ダークファンタジー一期のレビューを終えたいと思います。
ご清澄、ありがとうございました。
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